看護師としてのキャリアアップを望むなら明確な目標をもとう

1. 自身が目指す目標をもとう

看護師の将来については、勤めている病院で看護師長になることくらいと考えている方もいるかもしれませんが、看護師の道を進んだときに目指す方向は、それだけではありません。 看護師として働きながら、自身としての目標を設定することで、何をすればいいのか、何を学べばいいのかも変わってきます。看護師が目標とするいくつかのケースを考えてみましょう。

1-1. 指導的立場を目標とする

まずは看護師長を目指すなど、自身が現場で活躍するのと同時に、多くの看護師を束ねる、指導的立場を目指すという方向です。看護師以外の職業でも、出世をすると考えた場合、現場を統括する能力は、重要なものになります。 現場を指揮・指導する立場を目指す場合、看護師としての能力や知識、経験はもちろん、人との付き合い方や、人脈作りなども重要になります。

1-2. 現場での看護を重視したい

「看護師として常に患者さんと向き合い、対処する」そんな看護現場重視の姿勢で考えるのであれば、より患者さんとの距離の近い看護の仕事についても、考えるべきでしょう。一例をあげれば、病院や診療所勤務だけではなく、訪問看護なども将来的に視野に入れるのがオススメです。 訪問介護を目指す場合、より多くの患者さんと向き合うために、認定看護師を目指したり、看護と介護を同時にこなせるように介護福祉士の資格取得を目指したりするという方法もあります。

1-3. 自分の時間も大事にしたい

看護師としての仕事は、シフト制であったり夜勤があったりと、どうしても勤務態勢が不規則になりがちです。将来的には、自分の時間と仕事のバランスを重視した環境がほしい方も多いでしょう。 こういった方には、比較的就業時間が自由な訪問看護の仕事や、病院ではなく企業などに務める「企業看護師」という選択肢もあります。企業看護師としての将来を望むのであれば、看護師のジェネラリストとして、さまざまな状況に対応できる対応力を磨く必要があります。

2.看護師のキャリアアップにつながる方法

看護師としても目標をいくつかご紹介しましたが、その中に、いくつか耳慣れない言葉が出てきたかと思いますので、その言葉について解説します。

2-1．さまざまな状況に臨機応変に対応する

看護師は、広くいろいろな状況において、適切な処置が行えることが求められます。ある特定の分野に突出した看護師も求められていますが、どちらかというと、さまざまな状況に臨機応変に対応できる看護師のほうが、現場では重宝される傾向にあるのです。 さまざまな状況に対応できる能力は、転職などの際に、大きな威力を発揮します。仮にどこかの病院に勤務していた看護師が、企業看護師になろうとする場合を想定しましょう。 採用する企業に対し、面接や履歴書で自身が豊富な経験を積んできたということを伝えることで、相手にプラスの印象を与えることが可能です。将来的に転職などを目指す場合は、まずいろいろな病棟で勤務経験を積みましょう。 病院のなかには、看護師としてさまざまな経験を積ませるシステムをもっている病院もあります。こういった病院に勤務するのも、ひとつの方法です。

2-2. 認定看護師

認定看護師とは、「公益社団法人 日本看護士協会」が認定している資格で、特定分野の看護に関して、認定された看護師のみが取得できる資格です。資格取得条件は多く、まず看護師として5年以上の実務経験があり、そのうち3年以上は、認定を目指す分野での実務経験が必要になります。 実務経験を積んだのち、認定看護師教育機関に入学し、そこで半年間の授業を受け修了すると、ようやく認定試験の受験資格を得ます。

2-3. 専門看護師

専門看護師は、特定分野における専門的な知識、経験をもつ看護師が取得できる資格です。この資格をもつと、専門分野の看護だけではなく、看護職に対する教育や、患者さんとその家族に対するケアのコンサルティングやコーディネートが行えます。 また、専門分野の看護技術に対する研究活動なども行えるようになり、より専門的かつ総合的な看護が可能となります。 専門看護師の試験を受けるには、実地経験5年以上（うち専門分野の看護経験3年以上）が必要です。さらに、日本看護系大学協議会が定めている専門看護師課程基準の所定の単位を取得する必要があります。

3. まとめ